BL読んでただただ癒やされたい人向けに手持ちのBL小説から淡々とおすすめ上げてく

女衒のことをずっと『げぜん』だと思ってたことが今発覚した、人生の半分どころかそろそろ三分の二ぐらいを腐女子として生きてることになりそうな腐女子です。こんばんは。

こちらは、以前TLで流れてきたおすすめ商業BL紹介が楽しそうだったので、真似してみるだけの記事です。二番煎じカッコ悪い。どうあがいても先駆者になれないタイプの人間ですが、読んだ本の量にはそれなりに自信があります。

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本棚ひとつ+ケース5つがBL棚。二百冊ぐらいはありそう?

 

紹介のコンセプトは「疲れててなんだか気分が晴れない夜10時にさくっと読んで安心感と多幸感に満たされるようなホモ」。商業BLには安心感とときめきを優先的に求めたい派。あと手持ちから選んでるので偏りしか無いですがその辺は多めに見ていただけると助かります。

 

というわけで早速いってみよう。

まずは、私を商業BL小説沼に叩き落としたこちらから。

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高校当時、『パパと♡』シリーズぐらいしか商業BLを読んだなかった私に(あれはあれで好きでしたが、他に手を出すまでには至らなかった)、文芸部(と言う名のオタク部)の後輩が薦めてくれたシリーズ。

今読み返すと攻めの高遠さんが相当ダメな大人って感じなんですが、当時はそんな高遠さんもかっこ良く見えたんだなあとしみじみします。ちょっと悪そうで影のある大人の男×綺麗でトラウマ持ちの男の子、で、攻めが受けを導きつつ、どろどろに甘やかしてダメにしたいとも思ってる……みたいなのは崎谷先生の鉄板だと勝手に思ってたり。ちなみにエロは濃い目です。

同作者の歳の差モノ(というか保護者な大人攻め×非保護者な健気受け)がツボに嵌ることが多いので、『甘い融点』(ラブホ経営者×ウリをしようとしてた男の子)とか『キスができない、恋をしたい』(スーパーSE×家出青年)とかが好きです。ちょっと趣味が出すぎますが『少年人形』(保護者×非保護者で、受け女装)もいいですね。あと、某はーれむでびーとな漫画のこばとかさわとかが好きだった人は、『ラブスクエア』を読むと爆笑できるかもしれません。

 

 

つづきまして、今度は年下×年上もの。

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と、歳の差萌のようなことを書きましたが、どちらかというとスポーツモノ萌えがつまった一冊です。エースピッチャーだったのに事故で野球が続けられなくなり、自堕落な大学生活を送る受け。受けに憧れていた、今も大学で投手として野球を続けている後輩攻め。

もうこの設定だけで泣ける。というか何度読み返しても泣く。野球モノが好きなら是非読んで欲しい一作です。

同作者だと『マイ・フェア・ダンディ』が、そういやこれも年下×年上だな、受けのおばかだけど憎めない感じがとっても可愛くて好きです。借金持ちの受けが攻めをナンパして、金持ちの孫に仕立てあげようとする話。あと『兄弟の事情』とか『可愛い弟の作り方』とか兄弟モノ(こっちは兄×弟で年上×年下だな……)を色々書かれていて、お兄ちゃんがひどくて弟が健気で可愛くて、正直そういうの大好きです。

ちなみに渡海先生は少女小説でも活躍されていて、ゲームのノベライズなんかも手がけてらっしゃいます。少女小説だと、個人的には『侯爵令嬢の持参金』が好き。ところでソフィアの宝石シリーズの続刊はまだですか? え、打ち切り?



……気を取り直して、次は同級生モノといきますか。

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……いや、これ、同級生モノじゃないだろう。

というツッコミは謹んで承ります。色々探したけど同級生で思いついたのがこれだけだったんです許してください。というわけで一応元同級生、元恋人、俺様で破天荒で金回りのいい攻め様ァアァァ!な攻め(ベンチャー企業社長)×美人で有能で真面目で気の強いな受け(エリートサラリーマン)、これぞ王道BL! ……か? ちょっと受けが強すぎる? 

受けが攻めに振り回されつつやっぱり嫌いになれないっていうか好きだよ畜生! みたいな、とにかく最初から最後まで楽しく読める一冊。同作者だと『チョコレートのように』とか『今宵、雲の上のキッチンで』とかが好きで……攻めの年収が軒並みド高えな……?



というわけで、攻めの年収高い繋がり(?)で。

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まーほんと今更紹介するまでもないって感じですし、榎田先生についてはみなさん『これ!』っていう一冊を心にお持ちだと思うので多く語るのもあれなんですが、何を隠そうこれが私の初榎田先生。なんでシリーズ一作目じゃないんだよ。猫かわいい。同シリーズだと蛇のやつも好きです。ちょっとミステリ風味の構成がミステリ好きのハートわしづかみ。

ほんと今更同作者のおすすめとか語る必要もないんですが、『ハンサムは嫌い』とか『スウィーパーは時々笑う』とかが好きです。榎田先生の作品は物語の厳しさと優しさのバランスがとてもよくて、ぐっとつらく心に迫るところと、最後に優しく包んでくれるところのギャップがもう、ころっと持っていかれちゃいますね。一冊完結の連作シリーズが多いので、まずは一冊さくっと読めるのも親切設計です。



BL時空っぽい感じの職業BLが続いたので、ここらでリアリティレベル上げていこう。

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……いや、上がってない……上がってない?

フリーの映像作家×二重人格並みに猫かぶりの上手いアナウンサー、という、ちょっと華やかな世界の話……なんですが、一穂先生はほんとうに職業の書き方が真に迫っていて、もしかしてマスコミ関係の中の人だったのでは? と邪推してしまうぐらいリアリティがあります。この話にかぎらず、下手な一般小説よりよっぽどきっちり仕事してるし、みんなすごく立派な職業人。わたしのようなダメな社会人は、読んで我が身を省みて情けなくなることしかりです(…)。

一穂ミチ先生はデビュー作からずっと追いかけているのですが、今のところこれが一番好き。外面はとことんまで作りこんで、内側は途方も無くめんどくさい受けを、うまーくいなして甘やかす攻めがたまりません。続刊の『世界のまんなか』も、受けのめんどくささに磨きがかかって最高です。他だと、デビュー作の『雪よ林檎の香のごとく』も、あと個人的には『ノーモアベット』がすごく好きですね。



と、現代モノが続いたので、ここらでちょっと舞台を変えて。

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これまた皆さんご存知鈴木あみ先生の、中世風ファンタジー。全四冊。無実の罪で流刑地に送られてきた元貴族の攻め×流刑地の囚人で先ずは脱獄、からの復讐劇、渦巻く陰謀と愛憎――と盛り沢山、ついでに鈴木あみ先生ですからもちろんエロもたっぷりの四冊です。いまどき同人誌でもやらねーぞってなお約束展開(褒めてる)てんこ盛りでそういう意味でも楽しい。

お約束展開といえば、同作者の花降楼シリーズも、遊郭モノのお約束がふんだんでいいですね。シリーズ中では『婀娜めく華、手折られる罪』が好き……って、もしかしなくてもわたし、攻めに経済力を求めたいのだろうか。あ、あと同作者だと『ウサギ狩り』が好きです。



続いて、SF。

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つってもSFでBLなんてこれ以外にあるのかしら、ってな話ですが。あと上下巻数冊公正なので、ちょっとコンセプトから外れるかもしれない…。でも好き…。

公私共に相性抜群、ついでに夜の相性も抜群とスパコンにお墨付きされた『バディ』という設定。破天荒で身勝手、野性味溢れる武官×種族として美しく奔放な『月人』であるのに生真面目な文官、という相棒モノのお約束みたいな組み合わせ。そして宇宙船の中で起きる事件と、明らかになっていくお互いの過去……と、すごく読み応えのあるシリーズです。事件の後の昂ぶった身体でのセックスもたまらない。

イラスト担当が沖麻実也先生(BLじゃないですが、沖先生が表紙を担当されているデルフィニア戦記シリーズはとてもいいファンタジー小説なので、興味を持たれた方は是非)なのも、受けの人外めいた美貌をこれ以上なく描きだしていていいですね。しかしこれの完結ももう数年前……時代を感じる……。




では次は、SFはSFでも「すこしふしぎ」はいかがでしょう。

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BL界のすこしふしぎ担当といえば砂原糖子先生(勝手に)。言の葉シリーズとかが有名ですね。

これは所謂南くんの恋人現象とでも言いますか、受けの身体が1/12スケールになってしまう、というお話です。本家取り(?)のミニサイズなエロシーンも勿論しっかりあります。リリカルでかわいいお話が多いのにエロシーンはしっかりなのも砂原先生のすてきなところ。

とかいいつつ、同作者だと、『スイーツキングダムの王様』とか『カクゴはいいか』とか、なんだかんだで少し不思議ジャンルじゃないもののほうが好きかもしれない。あと、忘れちゃいけない『職業、王子』! 受けがアラブの王子様、という一風変わったアラブもの(でもうちにはアラブものがこれしかなかった。……あれ?)。すこし趣向の変わった、でもきっちりBLなものが読みたいときにはぴったりなのが砂原先生だと思います。




さて、もうだいぶ書いたような気もするし、締めといきますか。

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……まあ、木原音瀬先生を語らずに商業BLは語れないといいますか……うん……。

疲れてる時に読むとざっくりいろいろ持っていかれるド重たい話も多いうえにたまーにさらっとバッドエンドだったりするので読むのはどうにも慎重を期さざる得ないのですが、話の質はとにかく極上。ありきたりな表現ですが、BLの枠には収まらない読み応えです。

で、どれを出すかは結構迷ったんんですが、まあコンセプトが午後十時に読んで幸せになれる話ってことで、とにかく楽しい物をチョイスしました。無人島で嫌味なデブ上司とふたりきりとかマジ最悪じゃねーか、ってところから、そのデブ上司に手を出し、うつくしく脱皮させていくというトンデモ展開。なのにそこが木原先生マジック、とんでもないカタルシスを産むんだからおそろしい。シリーズ続刊もあります。

同作者だと『こどもの瞳』『薔薇色の人生』がさくっと読めて萌えられて好きです。こどもの瞳は兄×弟で攻めの幼児退行というガンガン性癖をついてくる設定で、ええと、大好きです。




……と、あんまり深く考えずに本棚からチョイスしてみたのですが。

なんかこうして並べてみると、あれですね、あたりまえですが、趣味がバレますね。全然万人向けになってない上に結局有名どころばっか並んだような気がして反省しきりですが、ええと、わかりやすいハッピーエンドだけは保証したつもりです。大団円最高。ハッピーエンド至上主義です。みんなホモ読んでしあわせになろう。

それでもし趣味が合いそう、と思ってくださった方がもしいらっしゃいましたら、あなたのおすすめを教えていただけるととっても喜びます。ホモ読んでしあわせになりたい。